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死亡保険金と死亡退職金は相続財産?

相続

ご家族が不幸にして亡くなってしまった場合、多くのご遺族は生命保険の死亡保険金を受け取り、
在職中であった場合は、会社の規程などにより死亡退職金を受け取ることと思います。

それなりにまとまった金額を、保険契約や会社の規程等により指定された配偶者など相続人の
一部の方が受け取ることになりますが、これは相続財産になるのでしょうか?
また、相続財産を相続人間で分割する際に保険金や退職金を受け取ることは考慮に入れなけれ
ばいけないのでしょうか?簡単にまとめてみました。

死亡保険金について

民法第896条
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

民法では「被相続人の財産に属した一切の権利義務」が相続財産とされています。

それでは、亡くなった方が保険契約者であり、自らを被保険者とする生命保険に加入し、死亡保険金の受取人を自分以外の家族にしていた場合、死亡保険金を受け取る権利(死亡保険金請求権)は、相続財産になるのでしょうか。

この点について判例は、死亡保険金請求権は「保険契約の効力発生と同時に相続人の固有財産となり、被保険者(兼保険契約者)の遺産より離脱しているものと言わねばならない」(最判昭40・2・2 民集19・1・1)としています。

つまり、相続財産にはなりません。

死亡退職金について

在職中に死亡した場合、公務員であれば法律で、会社員であれば就業規則等に従って死亡退職金が通常支払われることになります。

一般的には、民法で定められた相続人の順位とは異なる受取人の範囲や順位が定められているため、「遺族の生活保障を目的とし、民法とは別の立場で受給権者を定めたものであり、遺族は相続人としてではなく、これを自己固有の権利として取得するものと解する」(最判昭55・11・27 民集34・6・815)とされ、死亡保険金同様に相続財産にはならないものとされています。

遺産を分ける際に考慮の必要はあるの?

民法第903条1項
共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、(中略)贈与の額を加えたものを相続財産とみなし、(中略)相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする

これは相続人間の公平を図るため、遺贈又は生前に贈与を受けた者がいた場合、その価額を相続財産に加算したうえで、各相続人の取得すべき相続分を算出し、遺贈又は贈与を受けた相続人については、その価額を控除して、その者の相続分とするという「特別受益の持戻し」といわれるものです。

では、“死亡保険金”や“死亡退職金”は「特別受益の持戻し」の対象となるのでしょうか。

これについても、最高裁は原則として「持戻しの対象とならない」(最決平成16・10・29 民集58・7・1979)としました。

つまり極端にいえば、相続人の1人が生命保険金や死亡退職金を独占し、なおかつ相続財産も法定相続分を頂くことができる、としたのです。

ただし、その不公平が「到底是認することができないほど著しい」場合は「持戻しの対象とするのが相当である」とも最高裁は述べており、相続財産に対する保険金の額の比率などによって判断されるものとなりますので、ご留意ください。

相続税の取り扱い

これまで述べてきたとおり、死亡保険金や死亡退職金は相続財産とはなりません。

しかし、相続税の計算においては、これらは相続又は遺贈により取得したものとみなされ、課税対象に含まれることになりますので、お気をつけを。

ただし、死亡保険金や死亡退職金は遺族の生活保障を目的とする面があることから、一定の限度額まで非課税とされています。

事例:死亡保険金が2000万円、遺族が配偶者1名・子ども2名の場合

死亡保険金の非課税限度額=500万円×法定相続人の数

非課税限度額=500万円×3(法定相続人の数)=1500万円

2000万円(死亡保険金)-1500万円(非課税限度額)=500万円(課税対象額)

死亡退職金も同様の計算となります。
非課税となる保険金は、被相続人の死亡を原因として支払われる死亡保険金のみです。生命保険契約に
 関する権利や年金保険等から支給される金銭等については非課税となりません。

上記事例の場合の相続税の基礎控除額
相続税の基礎控除額=3000万円+600万円×3(法定相続人の数)=4800万円

相続税の基礎控除額(4800万円)を、保険金の課税対象額(500万円)を加算した相続財産の額が超える場合、相続税が超えた額に対して課されることとなり、申告が必要となる可能性があります。

まとめ

死亡保険金や死亡退職金は、相続財産とは扱われず、原則的に持戻しの対象ともならないことは、ご理解いただけたと思います。

しかしながら、死亡保険金や死亡退職金の請求も、相続の開始同様、被相続人の死亡を原因とするため、相続人の間で相続についての不公平感を生み、遺産分割の際に争いの原因にもなりかねません。

生命保険契約は相続税対策などを目的として利用される一面もあり、様々な商品が各保険会社から販売されています。保険加入に際しては、専門家のアドバイスを求めるなどしたうえで、本来の目的である残された家族の生活保障などに役立つよう、受取人やその他の家族としっかりご相談され、可能であれば、相続人間の不公平感を少しでも減ずることをお勧めします。
 
 
 

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